BARE 露わ


電車の中で、私の向こう側に座ってるマクス姿の女性、彼女はちょっと咳をした。

マスクの上にさらに手で押さえ、車窓に向かって小さく出した咳。

すると

隣で寝てたおばさんはぱっと起きてちらっと彼女を見た。失礼な動きをしようかどうか考えてる模様。

ドア側に立った一人の乗客はすぐさまほかの車両に行った。

咳を聞いて目を上げた私はその一連の動きを見た。彼女はほかの車両に去っていた乗客に目をやり、また自分の手元のスマホに戻す。
その1、2秒内で、彼女はどんな感じだったのかな

マスクで遮られないのは、自分と他人の視線

乗っているのは快速電車なので、乗ったら次の駅までだいぶ間隔があるから、みんなの神経が余計ピリピリしてる。

ウィルスは、人々に、今まで気づいていなかった自分の中にある分離意識を露わにさせるチャンスを与えた。

私は私、他人は他人

どんな気持ちで今の状況と接せばよいのか分からないけど、昔、喉がイガイガの時にした咳の音が、誰にも拾われずに逝っていく頃が恋しい。

ジコチュが多少光に怯えて、大胆に自分の存在を正義として訴えられない頃が恋しい。

手にした箱マスク
手放すか、又は、握り締めるか

どちらも不安しかない。

「赤裸」

電車上坐我對面帶口罩的女生咳了一下,她還特地轉到後面再用手遮著小聲咳。
然後,坐隔壁本來睡著的媽媽馬上起來看了一下,似乎猶豫著要不要做出失禮的舉動,而一位站著的乘客則立刻移動去別的車廂。

聽到咳嗽聲也抬起頭的我,看到口罩遮不到的雙眼,隨著移動的乘客游移,她有些受傷,然後若無其事地將視線移回手上的手機。

快速電車,停靠站少,大家都害怕長時間的拘束

病毒,帶出很多人們潛意識裡沒留意過的自他分離意識

我不知道該用什麼態度面對現在的狀況,但我想念當我只是喉嚨癢乾咳一下時,周圍仍泰若自然的時候。
想念自私仍只是一些藏在檯面下的小心思,不那麼張牙舞爪的宣示正義。

這麼說,是因爲我沒想過手上這一盒口罩

放下或緊抓,都讓我不安。

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