HISTORY 歴史



台湾では今がお墓参りに当たる時期。
ウィルスの騒動下、帰省のための移動が懸念される。
台湾の友達に聞いたら、政府側もお寺側もオンラインお墓参りを勧めているそうだ。
どこにいても祖先を祭る心があれば、祭る行為がなくても、気持ちが通じる。
もともと想念は唯一、時空を超えるものってどこか聞いた話を思い出した。
ご先祖様もきっと危険を冒してまで来てほしくないはずって。

今の時期にぴったりなニュースを見た。
台湾の「中央研究院」(文部科学省のようなところ)はGoogleMapと提携して、過去と現在の地図を重ねて閲覧するサービスをリリースした。

この一言が添えられている。

「調べてみると、大半の学校の敷地は昔、墓地だった。」

おや、そしてなんだ、このわくわく。

古墳が好きなんです。

詳しい歴史を研究するより、その場にいて雰囲気を感じるのが好き。
時間が違うけど、昔の人と同じ空間にいると思うと、鳥肌が立ち、心全体が騒いで浮いている感じになる。鳥肌は古墳内の異様な冷たい空気によるものかもしれないが。

周りの巨木は何世代の住民を見てきたのだろう。
発掘された生活日用品、住居などを目の当たりにして、いのちは断片的ではなく、ずっと流れていくものなんだって肌で感じられる。
私には祖先がいる。その祖先たちにも祖先がいる。さかのぼるとはるか宇宙の彼方に辿り着くのではないかと。

早速そのサービスを利用して、知っている街の昔を調べた。
それが今回の写真。

1964年の台湾高雄市

この時代を選んだ理由は特にない。地図の色合いが気に入っているだけだから。
だけどここを選んだのには理由がある。

母校があるんだ。

三年間、私の人生において、大切かどうか分からないけれど、
不思議なご縁がその時にすでに種まきされたってことが17年後に発見。
見事に育って実った。

この地図を見る限り、すでに現在の町が構築されつつあった。
ついでにもっと昔、1895年の地図も見てみた。
海に近いせいか、殆ど田んぼだった。
墓地の条件は坂だそうなので、どうやら母校は墓地ではないらしい。
じゃあ、一年生の時に、先輩たちがこぞって学校にまつわる怖い説を言ってきたのはなぜ?

地図に思いを馳せていたら、海のにおいもしてきた。
雨の中を急いで、自転車で海沿いの道路を走って角を曲がろうとしたら、滑って華麗に転んだ。
通りかかったトレーニング中の兵隊の一行が駆けつけて、制服のスカートが腰らへんまでめくれた私を助けた。

痛かったのかって
ただパンツを見られた恥ずかしさしか覚えていない。

(中国語無)

中央研究院「臺灣百年歷史地圖」より

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