ODD STORY 2 ロケ先

ある新規オープンのサファリパークへ招待された。
広報担当の人が入り口で迎えに来てくれた。
園内はほかのサファリパークと大して変わらない。
広々とした、砂漠のような黄色い地面。薄い黄砂が漂っている空気。
園内を回るジープへ誘導された。ゲスト3人は前の車、撮影クルーは後ろの車。
椅子に腰を掛けたとたん、いきなり車がフルパワーを出して疾走。まるで「007」映画に出るようなカーチェイス。
遊園車といってもオープンカーだから、だんだん上げていくスピードに飛ばされそうになる。
周りの景色が不思議。
雪の針葉樹の森。積もっている雪を車輪がなんの戸惑いもなく、木々の間をすり抜ける。
乱伐された空き地。膨大な数の、年輪が見える木の残骸を避けながら前進。時にぶつけて車が飛んでいた時もある。心臓が止まりそう。
山のうねうねロード、ヘアピーンカープをいくつか経験。
運転手さんの腕はうますぎる。アトラクションに乗っているようだ。
ゲストの女性の横顔を見た。怖くて目を閉じている様子。そして今度は後ろのクルーたちの視線で前方の車の後ろ姿を見た。
屋根も手すりもない。ゲストの女性の長い髪がスピードが作りだした風になびいているのが印象深い。
まったく、視点がぐちゃぐちゃ。視聴者の身にも立って考えなさい。
思っていたよりこのパークが広い。
車のアドベンチャーもそろそろ一段落。
今度は室内施設の案内らしい。
広報の人は車を止めるように指示を出してから、坂の上の黒い小屋を指さした。どうやらこの人は一緒に行かないらしい。
車を降りたら、ゲストとMCの人が消えた。その車も消えた。
少し不思議だけど、昼間だから、怪奇的な事件は起きないだろうと、安易に思った。
そして代わりに、彼女が現れた。
あたかもそこから登場する予定で、段落と段落を正しい接続詞でくっつけた時のように、自然な流れとして、彼女と一緒に坂を上り始めた。
周りは灰色の世界だから、秋や冬かな。
山によく見る、天に届きそうな木が道路の両側で、結構広い間隔をあけて植えてある。枝しかないほっそりした木。
見上げると、名前の知らない黒い鳥が二、三羽空を飛んでいる。嘴がオレンジ色で、お腹が白い可愛らしい鳥。
後ろからスタッフと思われる人の叫び声が聞こえた。
「ふんに気をつけて」
このフレーズが耳に届いて、脳が意味を解釈したら、はっと頭を上げた。
すると、はっきりと大きい白い液体のようなものが、鳥が飛び去ったところから、ぽつんと落ちてきた。
まあ立派なふんだ。
そこから空からの銃玉を避けるサバイバルゲームになった。
上を見ながらの前進なので、頭の上げ下げのうちに、方向感を失う。何度も悲鳴を上げて白いふんとすれ違った。二、三羽しかないのに、あんなにふん出るの?この坂を上り始める前のアスファルトは綺麗だった。二人とも身をかがめ、たった300メートルの距離を時間かけて何とか小屋の前に辿り着いた。
扉を見つけ、急いで押して入った。やっとふんまぶし攻撃から逃れた。
暗い。
目がこの暗さに慣れてくると、他のお客さんもいることに気づいた。
しばらく前に進んだら、左手に、ウサギふれあいゾーンと書いている看板がある。
どうりで家族連れが多い。餌を売っている売店もある。
彼女が餌を買ってきてくれた。
ん?
思っていた餌と違う。
電車の切符のような小さい紙切れだった。クリーム色。
「これが餌なの?」思わず聞いた。
周りを見ると、その紙切れを持って楽しそうにはしゃいでいる子供たちがいる。餌の違和感を感じない光景のほうが不気味だった。
看板の矢印の方向に従って視線を投げると、池のような巨大水槽と遭遇する。
全然中が見えない淀んだ緑色。臭わないが、本当に中に生き物が生息しているの?と疑問に思った矢先、隣の子供たちのところに、薄っすら影のようなものが底から浮いてきたのが見えた。
だんだん水面に近いでくる。
ウサギだ。
茶色と白の毛色をするウサギだ。尾鰭がないのに、四本の脚をすいすいとぴょんぴょんと水をかいて自由自在に泳いでいる。
泳ぐウサギは人生で初めて見た。中型犬のような大きさ。
子供のほうではなくて、私の手元の餌に気づいたら、来てくれた。半信半疑であの紙切れを出したら、咥えた!なめ始めたといったほうが正しいかもしれない。
みるみるうちに紙が水に浸かったせっけんのように、だんだんウサギの口の中へ消えていった。食べ終わったら、未練もなく、そのウサギはほかのお客さんのところへ泳いでいった。水が澄んでいないから、二、三歩の距離ですぐその姿を見失う。でも可愛い丸っこいふわふわ尻尾は陸上のウサギと同じだ。
「行っちゃった…」餌をくれた人間にあっさり別れを告げる姿が寂しかった。動物園の生き物はそうやって生き残る術を身につけたのだろう。
彼女は慰めようと、背中を撫でてくれた。
その後のロケは?
私も最後まで仕事を遂行したいが、アラームが鳴った。
これが昨日見た夢の話でした。
★
「出外景」
受邀去參訪一座新開的動物園。
負責人站在大門口等我們。放眼望去,這裡跟一般的動物園沒什麼兩樣。類似沙漠的黃色泥土地,空氣中飄散著細細的黃砂。
我們坐上了遊園用的吉普車,主持人和來賓坐第一輛,攝影組坐第二輛。
才剛坐下,連安全帶都來不及繫上,車子就急速發動,奔馳而去,彷彿007電影裡必有的車子追逐戰。
這個動物園與我想像中的不同,周遭的景色奇特到我幾乎目不轉睛。我們穿越了不同季節的森林。
有被雪覆蓋著的冬季針葉樹林。無視積雪的阻礙,車輪依然狂飆在樹與樹之間。
有遭到砍伐的熱帶雨林。地上全是只剩30公分左右的樹幹,繞過那些年輪或直接飛越過去,心臟被這刺激及失速嚇得停了好多拍。
也有充斥髮夾彎的山路,一直享受甩尾的離心力。
駕駛的技術太高超,像在坐雲霄飛車一樣。
我轉頭看了其中一位女性來賓的側臉,她因為害怕而把眼睛閉著。接著是由攝影組的角度看著前方車子,沒有車頂也沒有把手可握,女性來賓的頭髮飄逸在速度製造出來的風兒中。
真是,畫面這樣跳來跳去可是會混淆觀眾大腦的!
不知道這趟吉普車探險之旅持續了多久,總之一直處在飆速的快感下。這動物園比它的外觀看起來腹地更大。
突然負責人指示駕駛把車停下來,似乎接下來是去室內參觀。他轉向我們指了指左前方山坡上的黑色鐵皮平房,意思是讓我們自己上去,我們便聽話地下車。
下車後,節目主持人及來賓消失了,攝影組和車子也都不見。但因為是大白天,我想說應該不會發生什麼光怪陸離的事,也就沒多想。不過神奇的是,換我女朋友登場了。就像段落之間用正確的連接詞接續起來一般,她的出現十分理所當然,於是我們開始一起走那山坡路。
視線所及是一片灰色,猜測季節是秋冬之間。道路兩旁種植了高聳天際的樹,沒有綠葉只有乾枯的樹枝。而天空中迴旋著兩三隻黑色不知名的小鳥。嘴巴是橘色,而肚子有一小撮白色花紋。
剛走沒多久,突然聽到有人大喊:「小心鳥屎」
在這句話傳進耳裡,大腦將之解釋後,我倏地抬頭。就這麼一瞬間,看見一坨白色液體狀的東西從鳥兒飛過的地方落下來,波咑。壯觀的排泄物。
之後我們開始了躲避天空屎彈的生存遊戲。
因為需要一邊抬頭一邊前進的關係,在頭部一上一下起伏之中容易遺失方向感。明明才兩三隻鳥兒,怎麼這麼多便便呢?而且下車時柏油道路上還是乾乾淨淨的。
我們蹲著身子一步一步蹣跚,短短的300公尺的路,硬是花了比平常好多倍的時間,終於抵達黑色小屋前。發現入口後我們趕緊推門進去,終於逃離了便便大戰。
好暗。
眼睛習慣了黑暗之後發現裡頭有很多其他客人,往前走一會兒,發現了一塊寫著「兔子互動區」的牌子,難怪有這麼多小孩子和販賣飼料的攤販。
女友幫我買來了飼料。
咦?和我想的不太一樣。
那是像車票那樣小小的紙張,奶黃色。
「這是飼料嗎?」脫口而出的疑問。我望了望四周,小孩子興奮地拿著飼料跑跳,對手上像紙張的東西沒有任何疑惑的反應讓我不甚舒服。
沿著看板的指示往前走,遇到了一個類似池塘的巨大水槽。
像是一攤死水的髒綠色,雖然沒有臭味,但強烈質疑這裡頭是否真有生物能存活時,我瞧見有一個黑影慢慢從水底浮上來,似乎是接受到小孩手上飼料的呼喚。
離水面越來越近。
是兔子!
白底帶茶色的毛皮,在牠浮出水面時清晰可見。沒有魚鰭,水裡的兔子用四隻腳蹬著,撥開水悠閒自在地游著。
人生活到現在第一次看到生活在水中的兔子。大概跟中型犬差不多大小。
牠繞過小孩子,注意到我手上的飼料,緩緩地游過來。正想著“牠會吃嗎”的時候,兔子一口咬著那張像車票的飼料,說是舔可能比較適當。紙張的飼料就像泡在水底的肥皂般,慢慢消失在兔子的嘴裡。吃完後牠便頭也不回地游去其他客人那裡,因為不清澈的水質,才沒兩三步就遺失牠的蹤影。不過毛茸茸圓圓的尾巴與陸地上的兔子一模一樣。
吃完拍拍屁股走人的態度讓我有點受傷,但也許豢養在動物園的生物就是這樣生活的吧。
女友摸摸我的頭安慰我。
外景的工作呢?
我也想完成工作啊,但是鬧鐘響了。
這是昨晚的夢。
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