BLACK MOMSTER 黒い野獣


黒い獣が追いかけてくる
しずかーに、音をたてずに
正体を隠しながら、恐ろしい影だけ見せびらかす

凝結した空気から
甘い囁きが耳の奥に響く

動くな、ね?

黒いけものの指示が神経に届き
痺れる電流が体中に走る
やがて私の逃亡を阻止した

皆既日食のような空
黒い太陽が君臨した

動けない
意思だけがもがいている
少しずつ襲ってくる恐怖

あゝ
意識からの攻撃だ
サレンダーするしかない

獣がとうとう私が隠してある宝物を見つけた
「未知」の領域で固く一生懸命守ってきた純白の果実

無残に中から食い散らす
この野獣は最初からいたんだと気づいた

ずっと襲う機会を狙っている
暗闇で
独りぼっちの私を待っていた

ジグザグ 螺旋状 強弱 
巧みな絞り方によって
潰された果実
ぽたっ ぽたっ
とろり滴り落ちた蜜
黒いけものは貪欲に吸い取る
養分となる

この瞬間から
未知の世界が崩壊した
野獣の奪略は永遠に私を変えた

パチっ

誰か指を鳴らした音が聞こえる
周りが明るくなった
空はどこまでも蒼いけれど異様に潤った空気が漂っている
野獣の姿はどこにもない
気味悪い嘔吐感がぶくぶく胸あたりで渦巻いている

私の唇から
芳醇な匂いを帯びた艶めかしい吐息が漏れた
ひとすじ透明な滴りが綺麗な線を描いていく

木が再び実るまで
守ってろ

甘い声がエコーのように脳内に旋回している

―『ある少女の告白』より

「黑色野獸」

一頭黑色野獸追趕在後
靜靜地 抑制所有聲響
狩獵者的本能
隱藏了身形,卻狂妄地用影子示威

凝結的空氣中
傳來甜膩的呢喃

別動,乖?

黑色野獸的指令抵達神經
酥麻的電流瞬間流射
終於阻止了我的抵抗

像日全蝕的天空
黑色太陽君臨了世界

無法動彈
只剩意識清醒著
正面感受一點一點覆蓋上來的恐懼


牠竟然從精神層面突襲
只好投降

野獸終究是找到了我隱藏已久的寶物
在未知領域中被層層包圍守護著的純白果實

殘暴地收割 散落一地
我突然發現野獸是一直以來就存在於這個世界

只是在靜觀時機,於黑暗中
等待我落單的時候

交錯 螺旋 強弱 摩擦
用著巧妙的手法
擠壓著果實
波搭 波搭 一滴滴落下的鮮美珍蜜
黑色野獸貪婪地吸取
成為養分

在這瞬間
未知領域崩壞了
野獸的入侵永永遠遠改變了我

一聲清脆傳來
有人打著響指
周圍恢復明亮
天空湛藍,大氣中卻瀰漫一股異樣的靡爛水氣
野獸消失了
不舒服的嘔吐感在胸腔附近,像岩漿般咕嚕嚕地滾動

我的嘴唇
吐出了伴隨著芳醇蜜香的呻吟
一絲透明津液畫出了一條美麗的曲線

在樹木下次結果實之前
好好守著

牠的低喃迴盪在我腦海中

—出自『一位少女的告白』

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