ONE RAIN-RELATED TALE 雨と焼まんじゅう

うちの会社には雨男と雨女がたくさんいる。一泊二日の社員旅行中に必ず雨に遭遇してしまう。
入社してから参加してきた社員旅行の中、幹事担当の年には台風、神戸港クルージングの時には驟雨、どちらもやむを得ず次の予定をキャンセルする羽目に。
旅行に出たとたん、精神年齢が幼児に化けるわが社の社員たちを、ただでさえ管理するのは大変なのに、予定変更時はもう、一皮むくほど、莫大なエネルギーが必要。

去年の社員旅行も一日目はずっとしとしとの小雨だった。弱いけれど、傘をささないと1分間もしないうちに濡れてしまうやっかいな降り方なのだ。

その日も雨の関係で早まった自由行動を迎えた。同僚と街を回っていると、おばあちゃん一人経営の焼まんじゅう屋さんを発見。夜の宴会までまだだいぶ時間があるため、二人はその小さな店に入った。

ほかにお客さんはいなかった。

団扇が強く空気を切る音と、雲から落ちてきた水滴集合体の音しかない、閑散期中の観光地。静かに赤く燃えて灰を被った炭は、やっともともとの役目を果たせて、少し喜んでいるように見えた。



団子なら食べたことはあるが、焼まんじゅうは初めてだった。甘じょっぱいたれが最初に味蕾を刺激した。重く感じさせない塩梅。次にまんじゅうの程よい水分を含んだしっとり感、最後にほのかな生地の甘さが伝わる。

この土地の味だ。

一人2個ずつだが、炭水化物のせいか、意外とお腹がいっぱいになる。

お客さんは私たちだけだった。

食べ終わって6月中旬の雨にハイジャックされた景色をぼうーと眺めていたら、ふいにおばあちゃんのほうへ振り向くと、さっきの炭火の上に鉄網が置かれ、その上にやかんがあった。水を沸かそうとしている。
このシーン、経験したことがないのに、魂に刻まれた懐かしい昔のライフスタイルに想いを馳せて思わず微笑んだ。

しばらくすると、おばあちゃんはお茶を持ってきた。焼まんじゅうだけならのどが乾くと勘づいてくれたようだ。この親切に心が打たれる。

肌寒い霧雨に変わった温泉街と裏腹に、心はぽかぽか温まってきた。

社員旅行が好きなのか、と聞かれると、速攻に嫌いと答えてしまうけれど、同僚たちとの拘束から解放された束の間に出会った地元の人情は、たまらなく愛しくて好き、とはっきり言える。

記憶に残ったのも、これら生きた瞬間ばかりだった。



「雨和烤饅頭」

我的公司裡有很多所謂的雨男和雨女,每次兩天一夜的員工旅行時總會遇到下雨天。在我進入公司後所參加的員旅中,例如:擔任總幹事那年遭逢颱風;而搭遊輪周遊神戶港時碰到雷陣雨。每每都只能不得已取消接下來的行程。

出遊時,心智年齡就會瞬間下降至幼兒程度的同事們,沒什麼差錯時就已經相當管理不易了,當遇到這種突發狀況時,更像全身骨頭都要散了似地讓人筋疲力盡。

去年員工旅行的第一日也是陰雨綿綿,雖然雨勢不大,但不撐傘的話不到一分鐘就會全身溼透。這種要撐不撐的,是我認為各式雨中最麻煩的一種雨。

因為下雨的緣故所以提早迎來自由時間,跟同事兩人走到街上閒晃,無意間發現一家只有婆婆一人賣著烤饅頭的小攤子。由於離晚餐還有一段時間,於是我們便走進那迷你的店面稍作休息。

沒有其他客人。

扇子快速切過空氣,搭配水滴集合體從天而降的淅瀝聲響,淡季中的觀光街道是如此安靜。獨自焰紅披著一身灰的黑炭,正為著可以發揮作用而沾沾自喜。

我有吃過日式烤丸子,但烤饅頭倒是頭一回。甜甜鹹鹹的醬汁先刺激了味蕾,接著是恰到好處的綿密口感,微甜的饅頭香則在最後留下了餘韻。

這是這個地方的味道。

我們平分一人吃兩個,也許是澱粉的關係,意外地也讓肚子飽起來。

還是沒有其他客人。

吃完後我們發愣地繼續望著眼前被6月時雨綁架的街景。無意間我又轉頭望向婆婆,發現剛剛的炭火上擺了一張鐵網,上頭放著茶壺。婆婆似乎正在燒開水。
看著這一幕,明明沒有經歷過,卻回味了刻劃在靈魂中的懷舊氛圍,令我不禁莞爾一笑。

過沒多久,婆婆端來熱茶請我們喝,似乎知道光吃饅頭的話可能會口渴。婆婆的這份心意讓人感動。
即使外頭仍是帶著陣陣涼意的細雨,但心頭卻湧上了一股暖流。

如果問我喜不喜歡員工旅行,我會不假思索地答道“NO”。但在拘束之外的自由活動,短暫時間中遇到的各種當地人情及特色,卻是讓我深愛不已。

留在我記憶的,向來都是這些帶有生命的片刻。

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